(有)稚内グリーンファクトリー 川井 雄司様インタビュー

インタビュー実施日:2012年10月10日(水)

ンタビュアー株式会社髙籐建設
        代表取締役 大森 美明・・・以下 



メインゲスト
有限会社稚内グリーンファクトリー 
       業務主任
 川井 雄司・・・以下 

サポートゲストナトゥアジャパン株式会社 
        代表取締役 
渡辺 朝雄・・・以下 

:今、タカトーホームでは、全棟ナトゥアさんの珪藻土の塗り壁を採用しています。
群を抜く性能の珪藻頁岩の実際の採掘現場をぜひとも見学したいと渡辺社長にしつこくお願いしてやっと、今回の旅が実現しました。
普通に野生の鹿が手の届くようなところに現れる、そんな雄大なスケールの自然のなかでのお仕事は想像を絶しますね。

:市内から20分位の距離ですが、いたるところに手つかずの自然が残っている場所です。
もう少しすると雪に閉ざされて、春まで採掘は休みとなります。
今が見学するにはギリギリのタイミングですね。

:なるほど。良いタイミングで来れてよかった。
では、早速話を伺ってもよろしいですか?

:はい、もちろん!なんでもどうぞ。

他とは比べ物にならない稚内産の珪藻土の調湿効果、そのワケとは?

:この稚内産の珪藻土は他の珪藻土よりも3倍~6倍の調湿効果があるとも言われていますが、それはなぜですか?

稚内産のものは珪藻頁岩からつくってますからね。

:珪藻土と珪藻頁岩の違いは?

:主に硬さの違いです。頁岩は柔石のような石で、珪藻土は粘土質の土です。

:輪島は、珪藻土ですよね。

:そうです、こちらは珪藻頁岩が採れます。それを粉砕したものをお使いいただいています。


:組成は二つとも同じですか?

:同じです。が、その調湿性能は驚くくらい違います。

:面積で5倍から6倍の性能差があります。

 

:日本国内で珪藻土の採れるところは何か所くらいあるのですか。

:秋田、岡山、大分、石川の4県で、頁岩が採れるのはここ稚内層だけなんです。

 

稚内珪藻土の採掘の歴史

:いつごろから今のような利用目的で採掘が始まったんですか。

:平成11年からです。

:そんなに古くないんですね。

:もともとは道路を作る際の路盤材として使われていました。
地元では軟弱地盤の補強材への利用がよく知られています。

:ビールのろ過材でも利用されていますよね。

:ビールのろ過材にするには、焼いて完全に不純物を取り除く必要があります。
そちらは白色珪藻土と呼ばれています。

:ここの珪藻頁岩は、年間10万㎥くらいがこのエリア宗谷管内で路盤材として出荷されています。
ここ12~3年位で建築関係の建材としての利用が始まったんです。

:大手ハウスメーカーの石膏ボードにも採用されていますよね。

:そのほかタイルとしても利用されています。

:上野の森美術館や永平寺でも実際に使われています。
うちの珪藻土もブリジストン美術館で採用されました。

 

稚内珪藻土の採掘現場の話

:今ある山は、どれくらいの規模なんですか。

:数百年分はゆうにあります。

:すごいスケールですね、それを聞いて安心しました。
密かに資源がなくなってしまったらどうしようかと思ってたんです(笑)
ところで、実際の製造工程はどのようなっているんですか。

:山で採掘した珪藻頁岩は、そのままではかなり水分を含んでいるので、
5日間くらい天日干しします。その後工場へ搬入し粉砕工程へ進みます。
最後に粒度をお客様の指定で選別して製品にしています。

:雪の多い冬場はどうなんですか。

:採掘自体は、春の雪解けまで中断されます。
ストックの珪藻頁岩の生産加工は年間を通じておこなわれています。

:グリーンファクトリーでは、何人くらいの方が働いているんですか。

:約50名くらいです。
住宅建材部門は、その一部です。まだまだフル稼働状態ではありません。

:じゃぁ、これからももっと普及がすすみそうですね。

 

川井さんが語る、珪藻土への想い、タカトーホーム大森の想い

:ここの珪藻頁岩は、お客様には非常に評判がいいんですよ。
新築した本社も珪藻土の塗り壁仕上げですが本当に快適です。
アレルギーのお客様にも、具合が良くなったとの報告を聞いています。
今、内装仕上げは、これだけに特化してウチの一番のウリにしています。

:ありがとうございます。ウチでも更に研究開発を進めています。
北海道大学の長野教授と共同研究をおこなって、データー採集をしています。

:なかなか一般の方に理屈を理解していただくのは難しいですよね。

:そうですね。
でも、実は認知度のなかった「珪藻土」も、
にわかにスポットを浴びてきています。
ここもTBS「金スマ」に3回取材を受けて登場しているんですよ。

:いいものは、世の中に知れ渡る・・・ってことですかね。
私も、もっと多くの人にこの稚内珪藻土の存在をしってもらいたいと思っていますよ。
ちなみに、渡辺さんのところは、一度にどれくらいの量を入れているんですか。

:20トンが1回の仕入れ量で、今年は5回くらい来ています。
さらなる拡販にむけての課題は物流コストの圧縮ですね。

:珪藻頁岩を採掘される側としてのこだわりは何ですか。

:どう利用するかという点では、ユーザーサイドの方のほうが、
こだわりが強いのではないでしょうか。
一番使いやすい状態を安定して供給することをモットーにしています。

:素材は国内最高性能を誇るものなので、それを使う側で生かしてくれというところでしょうか。

:そうですね。
最近の動向としては、NEDO(新エネルギー・産業技術開発機構)の補助金対象事業で、地中熱利用システムの開発に参加しています。

:具体的にはどんなものなんですか。

:珪藻土を紙にすき込んでローターをつくり、一般家庭用のコンパクトな省エネユニットを開発する試みが北大を中心におこなわれています。

:ビルなどの大規模なものは、一部稼働がはじまっています。

:地中の熱をそのシステムを通すだけで湿度と温度の管理ができて、  エアコンへの依存がかなり低減できます。

そんなシンプルなもの、実は大好きなんです。

:臭いもとれて、ろ過された非常にクリーンな空気が供給されます。

:いかに小型化できるかが、いま取り組んでいる課題です。

:完成が楽しみですね。ウチでも床下の地熱を2階から循環させる換気システムを導入しています。

:そこに珪藻頁岩を加えると格段に性能があがりますよ。実際の施工ケースも大宮にあります。

:是非また案内してください。自然エネルギーを使った新しいシステム、結構登場してきてますね。

:簡単には、20~40mmの珪藻頁岩をネット状の袋に入れて積み上げただけでも
かなりの湿度の違いは体感できます。

:それだけで省エネになって、凄いですね。ウチで実験棟をつくりますから、やりましょう。

:敷地も広いからなんでもできますね。
見えるような装置をつくればきっとお客様にも注目されますよ。

:実用化を考えます。むずかしくない、壊れないシンプルなものがいいですね。
ウチは大手メーカーのメカメカ住宅の方向ではない方向に進みます。
そういった意味で、出会ったこの稚内珪藻頁岩は、未知数の可能性を秘めていますね。